クレジット機能なしのマイレージカード

こんな質問がありました。

「お世話になります。
当方、たまにですが仕事柄、海外に行くことがあります。
で、飛行機に乗った距離に応じて、ポイントがたまり、そのポイントに応じて特典がもらえるシステムとしてマイレージがあると知りました。
ただ航空チケット自体は、会社が準備してくれるので、クレジットカードを使用するタイミングはありません。
それでもチェックインの時に、提示することで、マイレージを貯めることができるカードがあると聞いたことがあり、ここで質問させていただくことにしました。

1.利用するのは、マレーシア航空・シンガポール航空などが主な航空会社ですが、なにかオススメのカードはありませんか?
2.そのカードに入会するにはどうしたらよいのでしょうか?
3.すでに使用済みの半券でも、利用可能と聞いていますが、どこの会社でしょうか?

以上、知見をお持ちの方いらっしゃいましたら、よろしくお願いします。」

私もマイルを貯め始めた頃はどのマイルをどうやって貯めたらいいのか分からなかったのですが、調べていくうちにだんだんと要領を掴んでマイルを活用できるようになりました。

  1. マイレージプログラムの概要

  2. マイレージプログラムの会員カードには、クレジット機能付きのものとクレジット機能がないものと2種類があります(*1)。
    どちらを選ぶかは各人の全くの自由です。
    クレジット機能付きカードのメリットは、端的に言えばそのカードで買い物などをした際に、その利用額に応じてマイルがもらえる点にあります。
    クレジット機能なしのカードではこの分の加算はありませんが、飛行機に搭乗した分のマイルはどちらでも同じように貯められます(*2)。

    まずは、クレジット機能なしのカードを作った場合はどうでしょうか。
    こちらのカードは年会費は無料です(*3)。
    その後クレジット機能付きのカードが欲しくなったら、その時点で切り替えることは可能です。(さらにまた後から、クレジット機能なしのカードに戻すことも可)
    クレジット機能なしのカードであれば、今はほとんどの航空会社でそのWebサイトから簡単に申し込めるようになっています。

    マイレージプログラムでマイルを貯めるにあたって、航空券を「クレジット機能付き会員カード」で買うことは必須ではありません。
    現金で買おうと他のクレジットカードで買おうと、搭乗分のマイルの加算条件は同じです。
    ただしマイル加算のためには「航空券と、マイレージプログラムの会員番号」を紐付けする必要があります。
    そうでないと(当たり前ですが)、その航空券での搭乗分を誰のマイレージ口座に加算してよいか分からないからです。
    その一つの方法が搭乗手続き時に、チェックインカウンターで「会員カードを提示する」です。
    また提示し忘れたとか何らかの理由で加算漏れが起きた場合などに行う方法が、後述する「事後加算」です。

  3. プログラムの選択

  4. マレーシア航空とシンガポール航空であれば、ANAの「ANAマイレージクラブ」がおすすめです[1]。
    マレーシア航空、シンガポール航空の双方と提携があり、どちらのマイルでも貯めることができます(*4)。
    ただしマレーシア航空、シンガポール航空をエコノミークラス包括運賃(ツアーやいわゆる格安航空券)で乗る時はANAマイレージクラブでは加算対象外です。
    この場合は別のプログラムで貯める必要があります(後述)。
    利用する航空券の種別が包括運賃なのか、それとも正規割引運賃(加算対象)なのか見分ける方法は脚注*5に示しておきました。
    それでも見分けがつかない場合は、購入された旅行代理店に問い合わせください。

    ANAマイレージクラブはもう一つ、マイルの有効期限が「獲得翌々年の12月31日まで」と短いのも難点です。
    それまでに特典交換に必要なマイル数に達するかがポイントですが、シンガポールやマレーシアに年に1~2往復するならとりあえず到達するはずです。
    日本-シンガポール/マレーシアをエコノミークラス正規割引運賃(運賃愛称”KrisPex”、”JIMAT”)で利用すると、往復ででだいたい4,500マイル貯まります(区間マイルの70%を加算)。
    特典航空券への引き換えですが、1万5千マイルで日本国内往復、3万5千マイルで日本-東南アジアエコノミークラス往復にそれぞれ引き換えられます。

    マレーシア航空とシンガポール航空の双方を貯められるプログラムは他にも、ヴァージンアトランティック航空の”Virgin Flying Club”があります[2]。
    ヴァージンアトランティック航空はANAとも提携しているので、貯めたマイルでANA便の特典航空券に引き換えることもできます。
    “Virgin Flying Club”はANAマイレージクラブと違って、「包括運賃は加算から除外」のような一律規定はありません。
    ただし割引率の高い一部の運賃で加算対象外が若干あります(このような運賃では他社プログラムでも貯められないことが多いのです)。
    “Virgin Flying Club”のマイルの有効期限は「最終のマイル加算または減算から36か月」と規定されています。
    従って一定の間隔内でマイルを貯め続ければその都度期限が延長され、実質的に無期限有効です。
    特典航空券への必要マイル数ですが、ロンドン-東京間エコノミークラス往復で6万マイルです。

    2社を同時に貯めたいなら選択は上の2つに限られますが、もし貯め分けてもよいならシンガポール航空搭乗分をユナイテッド航空の”Mileage Plus”[3]に、マレーシア航空搭乗分をノースウエスト航空の”WorldPerks”[4]で貯める方法があります。
    前者のマイルの有効期限はVirgin Flying Clubと同じく「最終の加減算から36か月」、後者は無期限です。
    マイルは分散しますが有効期限の長さでカバーできます。
    基本的に区間マイルの100%を加算してくれるのもメリットです(上記ANAのように一部目減りしたりしない)。
    両者ともキャンペーンが多くて貯めやすいプログラムで、日本でもJAL/ANAのプログラムに次いで人気があります。

    マイレージプログラムにおいて、貯めたマイルはそのプログラムの会社の便にしか使えないということはありません。
    提携している航空会社の便の特典航空券にも引き換えられます。
    例えばアシアナ航空に乗ってMileage Plusにマイルを貯め、それをルフトハンザの特典航空券に引き換えたり、上でも述べたようにマレーシア航空に乗ってVirgin Flying Clubにマイルを貯め、そのマイルでANA便の特典航空券に引き換えるといったことが可能です(「カードの航空会社でしか使えません」なんて説はどこから出てくるのか不思議です)。

    シンガポール航空”KrisFlyer”も悪いプログラムではないのですが、マイルの有効期限が短いのとマレーシア航空の搭乗ができないことから選択肢からははずれます。
    同様にマレーシア航空”Enrich”もマイルの有効期限が短く、また提携会社が少なくて貯めにくいので外した方が良いです。
    JALの「JALマイレージバンク」、キャセイパシフィック”Asia Miles”ともシンガポール航空・マレーシア航空は加算できません。
    また”Asia Miles”はマイルの有効期限も短いので(3年)、ANAマイレージクラブやJALマイレージバンクを差し置いてまで選ぶメリットは感じません。

  5. 事後加算手続き

  6. 搭乗手続き時に会員カードの提示を忘れた、提示はしたが何らかの手違いで加算がされていないといった場合には「事後加算手続き」を行います。
    「事後登録」などとも呼ばれます。
    事後加算手続きは一般に、マイレージプログラムの事務局に搭乗券の半券(現物)と、航空券の最終券片(コピー可)を郵送して依頼します。
    最近多くなっているe-チケットの場合は航空券の最終券片に代えて、e-チケットの控え(コピー可)を送付します。
    そのプログラムの会社の自社便であれば、書類を送付することなくインターネットから便名と会員番号を入力するだけで手続きできることもあります。
    事後加算ができる期限は航空会社によって異なりますが、短いところでも搭乗日から6か月程度の猶予は設定されています。

    ただし一つ重要な点がありまして、事後加算手続きができる期限内であったとしても、入会前にまで遡って加算を受け付けてくれるかはマイレージプログラムごとに全く異なります。
    「事後加算手続きできる期間内でも、入会前の搭乗分は一切加算不可」としているプログラムから、「事後加算手続きできる期間内なら、入会の前後を問わず事後加算可能」としているプログラムまでさまざまです。

上で挙げたプログラムで、入会前の搭乗分まで事後加算してくれるかどうかは以下の通りです。

  • ANAマイレージクラブ:入会の前後に関らず、事後加算手続き開始時点から6か月前まで遡れる[5]
  • Virgin Flying Club:入会前6か月まで遡れる[6](しかし事後加算手続きの期限も6か月なので、結局はANAの規定と同じことになる)
  • Mileage Plus, WorldPerks, JALマイレージバンク:いずれも入会前の搭乗分は加算不可

実際の手順としてはまず入会手続きを済ませて会員番号をもらってください。番号さえあれば事後加算手続きはできますので、カード現物の到着を待つ必要はありません。
入会受付のページのURLは[7-10]にあります。
次に「事後加算して欲しい」との旨と会員番号を記したメモを、必要書類(搭乗券半券と航空券控え)とともにマイレージプログラムの事務局に送って下さい。
詳細は[11,12]で。

以上を総合して考えますと、ANAマイレージクラブかVirgin Flying Clubであればシンガポール航空とマレーシア航空の双方を加算でき、入会前の搭乗分も条件付きで加算可能ですので、質問者さんの希望条件に最も近いと思います。
類似質問への回答[13-15]も参考にしてみてください。

【結論】

  • 一番簡単なのはANAのANAマイレージクラブに入会することです。
    入会前の搭乗分についても、事後加算手続き開始時点から遡って6か月以内なら加算してもらえます。
    ただしマイルの有効期限が短いこと、包括運賃でのマレーシア航空・シンガポール航空搭乗分は加算してくれないことが難点です。
  • マレーシア航空とシンガポール航空の両方を加算できるプログラムとしては、他にヴァージンアトランティック航空の”Virgin Flying Club”があります。
    こちらは包括運賃でも加算できます。
    こちらもANAマイレージクラブと同様、入会前の搭乗分についても事後加算手続き開始時点から遡って6か月以内なら加算してもらえます。
    マイルの有効期限が実質的にない点で、ANAマイレージクラブより有利です。

【参考ページ】
[1] ANAマイレージクラブ
[2] Virgin Flying Club
[3] Mileage Plus
[4] WorldPerks
[5] AMC貯まるケース・貯まらないケース
[6] Virgin Flying Club FAQ
[7] AMC入会
[8] Virgin Flying Club入会
[9] Mileage Plus入会
[10] WorldPerks入会
[11] AMC事後加算手続き
[12] Virgin Flying Club事後加算(問合せ先)
[13] 教えてgoo:マレーシア航空(パートナー)のマイル事後加算について
[14] 教えてgoo:マレーシア航空(パートナー)のマイル事後加算について
[15] 教えてgoo:【マレーシア航空】マイルの貯め方を教えてください

*1 クレジット機能付きカードがあるのは日系航空会社だけではなく、日本で提携カードを作れるプログラムだけでもノースウエスト、デルタ航空、アメリカン航空、コンチネンタル、ユナイテッド、大韓航空、アシアナ、ルフトハンザ、アリタリア、エールフランス、シンガポール航空、タイ国際航空とたくさんあります。
*2 厳密に言えば、JALやANAはクレジット機能付きカードの会員に区間距離の10~25%のボーナスマイルを出しているので、この点では差があることになります。(ボーナスは自社グループ便の搭乗に限る)
*3 ごく一部に入会金を取るプログラムがありますが、本回答で挙げているプログラムはいずれも入会金・年会費とも無料です。
*4 マレーシア航空便の場合、「ANAとの共同運航便でかつANA便名の航空券で搭乗すること」はマイル加算の必須条件ではありません。
*5 e-チケットでないいわゆる紙製航空券の場合、左下隅のFARE欄に JPY 118000 などと具体的に金額が記してあれば包括運賃ではありません。
ここに”JPY IT”と書いてあったら包括運賃です。
e-チケットは様式がさまざまなので販売の旅行代理店に問い合わせください。

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